美容や健康を考えたときに思い浮かぶのが、いつも食べている白米を玄米に代えてみる、というアイディア。
お米って毎日のように口にするものですし、体に良いのであれば積極的に取り入れていきたい食材ですよね。

白米より調理が面倒なんじゃないの?

残留農薬とかヒ素とか聞いたことがあるけど大丈夫?

美容や健康にいいって聞くけど本当?
そんな疑問にお答えしていきたいと思います!
なんとなく健康に良さそうだから、と玄米を選んでいた方も多いのではないでしょうか。
この機会にぜひ、玄米の魅力を知って下さい!
後半では、玄米からヒ素を取り除きつつ栄養を維持する簡単な方法も紹介しています。
そもそも玄米とは?白米と何が違うの?

精米している白米、していない玄米
白米と玄米の違いを簡単に言うと、精米をしているか否か、です。
この2つ、もともとは同じ稲からできています。
稲から籾(もみ)を外し、籾殻を除いた状態が玄米。
玄米から胚芽(はいが)や糠(ぬか)をとり除いたものが白米になります。
稲→玄米→白米
の過程で精米される、ということですね。
白米と玄米、栄養素はどう違うの?
それでは、白米と玄米とでは栄養素にどのような違いがあるのでしょうか。
白米と玄米、それぞれ炊く前のお米100gの成分表です。(お米1合が約150gです。)

意外に思われる方も多いかもしれませんが、白米と玄米100g当たりのカロリーは白米/342kcal 玄米/346kcal と、ほとんど差がないのです。
糖質(炭水化物)の量にもほとんど差はありません。

玄米ってダイエットにいいって聞いたことがあったんだけど・・・
そう思った方、いらっしゃるかもしれませんね?
でも、ちょっと待って下さい。
玄米がダイエットにいいと言われる理由は、実はそのカロリーが理由ではないのです。
きちんと食べて、美しくなる。
そのために嬉しい栄養素が玄米には多く含まれているのです。
玄米が健康・美容にいいと言われるのはなぜ?

カロリーだけに注目していては玄米の良さを知ることはできません。
こちらの表を元に、玄米の魅力にせまっていきましょう。

糖質の代謝に欠かせない、ビタミンB1
玄米には白米に比べて多くのビタミンB1が含まれています。
ビタミンB1には、糖質をエネルギーに変える働きがあります。
このビタミンB1が不足すると、糖を上手くエネルギーに変換できなくなってしまい、肥満の原因になってしまうことも。
それだけでなく、糖からエネルギーを十分に生産できなくなることによって、食欲不振・疲労・だるさなどの症状が現れてしまいます。
つまり、糖質の代謝を助けてくれる働きがある栄養素、というわけですね。
白米と玄米とでは、糖質の量には大きな違いはありませんが、ビタミンB1が多く含まれている玄米の方がダイエットに向いている、と言えそうですね。
美容・健康に欠かせないビタミン・ミネラルが豊富
白米と比べると、ビタミンB1だけでなく、玄米にはビタミン・ミネラルが多く含まれています。
ビタミンとミネラルは体を作るのに必要な基本的な栄養素です。
糖質・脂質・タンパク質という三大栄養素のエネルギー変換をサポートしてくれます。
これらが不足すると代謝が悪くなってしまったり、栄養素が体内で上手く使われず、結果的に痩せにくい体になってしまいます。
美容と健康は切っても切り離せないもの。
しっかり食べて、美しい体を作っていくためにも必要な栄養素なのです。
便通改善・血糖値の急な上昇を抑えてくれる、食物繊維
白米と比べて、玄米には食物繊維が多く含まれています。
食物繊維には腸内環境を改善してくれる働きがあり、便秘の改善が期待できます。
ダイエット期間中だけでなく、日頃から便秘に悩まされている方にも嬉しい効果ですよね。
また、胃腸内をゆっくりと通過していくことにより、糖質の吸収を穏やかにしてくれるので、血糖値の急な上昇を抑えてくれるのも嬉しいポイントです。
血糖値の急な上昇は体内に脂肪が溜まりやすくなる原因になってしまうので、玄米食にするだけでなく、日頃から食べるものや順番には気をつけていきたいですね。
食後の血糖値の上昇を表すGI値から見ても、
白米→88(=高GI値食品)
玄米→55(=低GI値食品)
と、玄米の方が体内に吸収される時の血糖値の上昇が緩やかなことがわかります。
満腹感を得られやすい
白米と比べて、玄米は噛みごたえがあるのが特徴です。
プチプチとした食感はクセになりますよ。
この噛みごたえが満腹中枢を刺激してくれるので、満腹感を得られやすくなります。
もちろん自分で意識してゆっくり噛んで食べるのことも大切です。
デメリットも気になる、玄米の残留農薬とヒ素の問題

ここまでは玄米のメリットを紹介してきましたが、デメリットも気になるところ。
残留農薬やヒ素の話を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
ここからは、そんな玄米のデメリットについてもお話ししていきたいと思います。
玄米に農薬は残っている?
答えはイエスです。
通常、お米を栽培する際には農薬を使用します。
雑草や害虫の駆除、病気の予防等の目的のためです。
では、農薬の多くは玄米のどの部分に多く残ってしまうのでしょうか。
玄米を白米に精米することで,農薬濃度は2分の1から10分の1に減少し,さらに,洗米および炊飯によって6分の1から8分の1以下に減少するというものであった。また,石井は玄米を白米とヌカに分けて残留農薬の分布を調べたところ,ヌカに70-90%含まれることを報告している。
奈良県産水稲(玄米)における残留農薬と農薬の使用条件(谷川元一・西村憲三/奈良県農業技術センター研究報告 32号,p.27-32(2001-03)
上記のように、その農薬のほとんどがヌカに残っていることが報告されています。
玄米を精米するときに生じる副産物。米糠、小(こ)糠ともいう。白米は玄米の外側から、表皮、種皮、糊粉(こふん)層などの部分と胚芽(はいが)を取り除いたものである。この取り除いた部分を糠とよんでいる。 出典:コトバンク
つまり、精米をしていない玄米は、ヌカがついている状態の米である、ということ。
ちなみに、上で紹介した報告でも言われているように、精米をした白米でも100%農薬が取り除けているわけではありません。

ええ、じゃあ玄米には農薬が白米よりも残ってるってことじゃん・・・!危険・・・!食べるのやめる!
そう思ってしまった方、ちょっと待ってください。
参考に、下記研究結果の一部を引用させていただきます。
当衛生研究所で、平成4~13年度の10年間に調査した市販の玄米約150検体からは、エトフェンプロックス、フェノブカルブ、イソキサチオン、フサライド、イプロベンホス等、主として殺虫、殺菌のために用いられたと考えられる18種類の農薬(延べ107農薬)が検出されました。しかしながら、食品衛生法の基準値を超えて農薬が残留していたものはなく、その濃度は0.001~0.05ppm※ 程度で、法律で定められている基準に対する割合は、平均7%(中央値3%)と非常に低いものでした。
※ppm(parts per million)とは、百万(million)に占める割合(parts)という意味で、1ppmとは百万分の1のことです。したがって、0.001ppmとは玄米1トン(1,000kg=1,000,000g(百万g))に0.001gの農薬が含まれていたことを意味します。
基準値以下であれば、そのまま食べたとしても安全性に全く問題はありませんが、精米、米とぎ、炊飯により農薬の摂取量を減らすことができます。
出典:衛生化学部 医薬食品研究室/米(玄米)に残留する農薬の調理による減少について
このように、確かに農薬は残ってしまっているのですが、国の定める基準を超えるようなものではない、という報告がされています。
しかし、安全性に問題はないと言われても農薬が残っているのは気になる、という方もいらっしゃるかもしれません。
玄米のぬか部分に農薬が残ってしまっているため、洗って取り除くというのも難しい話。
そんな方におすすめしたいのが無農薬で生産された玄米。
ネット上でも簡単に見つけることができるので、どうしても気になる、という方は無農薬のものを購入されるのが良いかと思います。
下記からamazonで探すこともできますので、ぜひリンクに飛んでみてください。
無農薬・残留農薬不検出・農薬節減米などを見つけることができます。
玄米にはヒ素が含まれている?
玄米にはヒ素が含まれているから、炊き方を工夫してヒ素を除去しなければいけない
そんなことを聞いたことのある方、いらっしゃるのではないでしょうか。
ここからは玄米に含まれているヒ素について解説していきたいと思います。
なぜヒ素が含まれるのか?
“ヒ素”という単語を聞いて、そんなものが含まれているなんて、どうなっているんだ!と思ってしまう方もいるかもしれません。
発がん性があることでも知られていますし、びっくりしてしまいますよね。
しかし、実のところ、ヒ素は自然界に多く存在しているのです。
産業活動に伴って放出されるヒ素ももちろんあるのですが、天然由来のヒ素も多くあり、それらは土壌や水中に含まれているのです。
なので、様々な食品や飲料水は、微量のヒ素を含んでいます。
玄米に限った問題ではない、ということですね。
しかし、なぜ玄米とヒ素は関係付けて語られることが多いのか。
稲は水田の土や水から様々な物質を吸収しながら生長します。ヒ素をはじめとした微量成分は、土や水の中に広く存在しているため、ヒ素を全く含まないようにコメを作ることはできません。
出典:農林水産省HP/食品中のヒ素に関するQ&A
このように、稲作の特製上、ヒ素は必然的に含まれてしまうのです。
日本人が口にする機会も多い食品ですから、話題に上がる頻度も多くなってくるのでしょうね。
玄米に含まれるヒ素の健康への影響は?
ヒ素が必然的に含まれてしまうというのはわかっていただけたかと思います。
それでは、健康への影響はどうなのか。
農林水産省によると、
ヒ素は自然環境中に広く存在するもので、日本国内の土壌や水中にも含まれています。このため、コメをはじめ多様な食品に微量のヒ素が含まれており、日本人は食品や飲料水を通じてヒ素を摂取しています。しかし、通常の食生活を通じてヒ素が体内に入ることで、健康に悪影響が生じたことを明確に示す国内のデータは現在のところありません。
お米を食べることも含めて、バランスのよい食生活を送っていただければ問題ありません。
出典:農林水産省HP/食品中のヒ素に関するQ&A
ヒ素が健康に悪影響を及ぼすとのデータはなく、それよりもバランスの良い食生活を心がけることの方が大切、という見解を出しています。
ただし、赤ちゃんや子どもはヒ素を解毒する力が弱いこともあり、摂取するのに否定的な意見も多くあります。
小児への摂取を禁止している国もあるようです。
子供へ食べさせるかどうかは、しっかりと考えて判断した方が良さそうですね。
ヒ素を除去することに注目した玄米の炊き方

それでも”ヒ素”と聞くと、避けられるものなら避けたいですよね。
実際に、精米することでヒ素の含有量を減らすことができます。(精米した米にもヒ素は含まれています。0になるという意味ではありません。)
しかし、ヌカを除去することになるので、一緒にビタミンやミネラルも除かれてしまうのです。

結局どうするのが一番良いのよ・・・・
その答えは、炊飯を工夫してみることで見つかるかもしれません。
玄米の栄養素をできるだけ損なわずに、ヒ素を除去できる炊き方は?
長時間の浸水
有名な方法として、長時間浸水しておくというやり方があります。
浸水しておくことでヒ素が減ることがわかっています。
やり方は簡単で、
1, 一晩玄米をたっぷりの水に浸しておく
2, 古い水は捨てて新しい水に変える
3, 炊飯する
知名度のある炊飯方法ではありますが、デメリットは時間がかかること、浸しすぎると水中に雑菌が繁殖しやすくなってしまうこと。
浸水時間は9時間〜12時間くらいと紹介しているものが多いのですが、季節によっては何度か水を変える必要がありそうですね。
そして時間がかかることも大きなデメリットですよね。
計画的にお米を炊くって、私にはなかなか難しいことです・・・
米のヒ素を除去しつつ最大限に栄養を維持する炊き方が解明(PBAメソッド)
次に紹介するのは、2021年に「Science of The Total Environment」に掲載された、イギリスのUniversity of Sheffieldによって発見された方法です。
この方法であれば、玄米であれば54%、白米であれば73%のヒ素を除去することができたのだそうです。
そのやり方がこちら。

1, 水を沸かす(1カップの米につき4カップの水)
2, 沸いたら米をいれ、5分沸騰させる
3, 水を捨てる(このときヒ素が排出される)
4, 新しい水を入れる(1カップの生米につき2カップの水)
5, 蓋をし、弱火〜中火で水が吸われるまで火を入れる
このやり方であれば、長時間浸水する手間もなく、簡単に・安全に玄米を楽しむことができそうですね。
ずぼらさんでも大丈夫、私のやっている玄米の炊き方をご紹介(PBAメソッドを参考に)

ここからは、私が実際にやっている玄米の炊き方を紹介させてください。
上で紹介したPBAメソッドを参考に、最終的に炊飯器を使用して炊飯する方法です。
「米をボイルして水を捨てた後にまた鍋で炊く」、というのがどうにも面倒に感じてしまった+鍋で米を炊くのが難しそうなイメージがある、そんなずぼらな私でもできる方法です。
炊いている時にずっと火を見ていないといけないのが耐えられなかった私が考えた方法です。
よろしければ参考にされてください。
基本の流れは下記の通りです。
1, 玄米を計量する
2, 玄米に対して4倍の水を沸かす
3, お湯に玄米を入れる、5分沸かす
4, 玄米をザルにあげてすすぐ
5, 玄米と、玄米と同量の水を炊飯窯にいれて炊飯する
それでは、詳しく見ていきましょう。
玄米を計量する

まずは玄米を計量します。
この時、使うカップは計量カップでなくても大丈夫です。
ただし、後で水を入れる時に必要なので、どれくらいの玄米を使用したのかはわかるように計量してください。
(例えば、コーヒーカップ2杯分とかでもok)
私の場合は、今回は2カップ分の玄米を炊いていきます。
玄米に対して4倍の水を沸かす

鍋で米に対して4倍の水を沸かします。
PBAメソッドでは米の4倍の水を沸かす、とありますが、私の場合は厳密に計ったりはせず、とりあえずたっぷりの水を沸かしています。
毎日測るのは面倒で・・・汗
ぐらぐらするまで沸かします。
お湯に玄米を入れる、5分沸かす

お湯に玄米を全て入れます。
ちなみに、事前に洗米は行なっていません。
メソッドに言及がないので、特にする必要はないのかな、と思っています。
後ほどすすぐ工程もありますが、気になる方はされても良いかもしれません。
5分間沸かしていきます。
ずっとぐらぐらしているくらいの強火で大丈夫です。
私は米をいれた直後、お湯の温度が一度下がってしまうことも加味して、コンロのタイマーを6分にセットしています。
タイマーをしておけばその間に他のものの調理できるので、効率が良いですよね。
玄米をザルにあげてすすぐ

玄米をザルにあげてすすぎます。
PBAメソッドによると、このお湯を捨てる工程でヒ素が除去されるそうです。
なので、私の場合は少しでもヒ素が取り除ければと思い、このタイミングで軽く玄米をすすいでいます。
軽く全体を洗う程度です。
玄米と、玄米と同量の水を炊飯窯にいれる


すすいだ玄米を、玄米と同量の水と一緒に炊飯窯にいれます。
この時、炊き上がりの好み次第ではあるのですが、少しだけ多めの水を入れた方が私は好きです。
ほんの少しだけ、ですね。
基本は玄米と同量の水、と思ってもらえれば大丈夫です。好みで調節してみてください。
炊飯する

炊飯します。
この時、玄米モードではなくて、普通の炊飯モードで大丈夫です!
さらに、この炊飯器の「早炊きモード」・「高速炊」での炊飯も試してみましたが、どのモードでも同じやり方で問題なく炊くことができました!
できあがり!/予約モードでも大丈夫

美味しくできあがりました。
いかがだったでしょうか。
PBAメソッドを取りいれつつ、鍋をずっと見ていなければならないというわずらわしさも無い炊き方では無いでしょうか。
メソッド的にはこれでヒ素の除去はできているはず・・・。
ちなみに炊飯は予約モードでも大丈夫です!
好きなタイミングで炊くことができるので、日頃の食事に取りいれやすくなっていると思います。
流石に毎日鍋で炊くような根性は私にはありません・・・。
私が使用しているのは圧力IHの炊飯器
<アイリスオーヤマ 炊飯器 圧力IH 5.5合 40銘柄炊き分け機能 極厚火釜 ブラック RC-PD50-B>
私が使用している炊飯器は、こちらのアイリスオーヤマから発売されている圧力IHジャーです。
私の場合はこの圧力IHでしか玄米を炊飯したことがないのですが、通常の炊飯器でも大丈夫かな、とは思います。
試されてみた方、ご感想などいただけるととてもありがたいです。
美味しくヘルシーに過ごしたい

いかがだったでしょうか。
玄米のメリット・デメリットがわかっていただけたでしょうか。
玄米の炊飯に面倒なイメージを持っていらっしゃった方も、今回紹介した炊飯方法であれば少しの手間をプラスするだけなので、気軽に挑戦していただけるかなと思います。
毎日食べるお米ですから、美味しくヘルシーにいただきたいですよね。
食べないダイエットをするよりも、健康的に食べて痩せる方が綺麗な体への近道です。
食べるものを選んで、素敵な人生にしていきたいですね。
そんなお手伝いがこの記事を通してできていたら幸いです。
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